人間ゲーム
「‥ハァ‥。」
油断をすればすぐため息が出てしまう。
それほどダメージがあったってことなのか‥?
呟きながら三浦百子と書かれた駒を持ち上げた。
パラッ
「ん‥?紙か?」
駒の後ろに小さく折りたたまれた紙きれが机の上に落ちた。
「オレ‥こんなところに紙きれなんて置いたっけ‥。」
ゆっくり小さな紙を開くと小さく丸い文字が書かれていた。
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今までありがとう!!
話ができて楽しかったよ。
キシ‥清水修也くんへ。
三浦百子より。
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「ははっそんな‥バレてたのか‥。」
あの時オレをつけたりしていたのは三浦百子だったのか‥?
そういえば、正直者ゲームをしたとき風当たりのいいところにいたって言ってたなー‥。
もしかして屋上にいて、突き落とす所を目撃されていたのか?
でもなぜ黙ってたんだ‥??
オレへの同情‥か?
自然と涙が溢れてくる。
この前たくさん流したと思っていたんだけどな。
涙ってこんなに溢れるのか‥‥。
なぜだか知らないが今まで黙っていてくれたことに感謝する。
三浦百子‥。
ありがとう‥。
震えた手で三浦百子と書かれている駒をゴミ箱へ捨てた。
そのおかげでいつもの冷静さを取り戻せた気がする。
「そういえば、兄貴って誰なんだ?」
三浦百子から預かった財布を手に取る。