嘘つきな私の愛情表現
電線の上で仲良くさえずる二羽の雀。
「あほらし…」
自分が思っていることやしていることが馬鹿らしくなり窓から手を放す。
自然と溜息が出たその時だった。
「嬉喜ー、ちょっとおりてきてー!」
一階から私を呼ぶお母さんの声がした。
返事はせずにトントンと階段をおりていったとき、お母さんとは別の声が聞こえた。
「おばさん、嬉喜はまだー?」
この声は…。
嬉しいような嬉しくないような、そんな気持ちでお母さんが待っているであろう部屋のドアを開ける。
すると、そこにはやっぱり私が想像した人物がいた。