嘘つきな私の愛情表現
「ちょっと…。」
その言葉で私はハッとする。
思った通り、女の子の声だった。
「友心がこういう状態だっていうのに、よくそんないちゃいちゃできるわね…!」
女の子は怒りに満ちた目でこっちを睨みつけている。
私はいちゃいちゃしているわけではない。
と反論しようと思ったが、どうせ聞く耳を持たないだろうとやめる。
私は大人しく友希から離れようとする。
が、友希が放してくれない。
「ちょ…、友希?」
もぞもぞと顔を上にあげ、友希の顔をみる。
友希は冷たい目で女の子を見ていた。
そして、ぎゅっと私を抱きしめる腕に力をこめる。