嘘つきな私の愛情表現
友心の状態。
玄関のドアを開けたところに、母がばたばたと私を出迎える。
「ねぇ、嬉喜? 友心くんが…」
私はお母さんの話をききたくなくてお母さんを通り越して部屋に向かう。
階段を駆け上がるときに後ろから「あ、嬉喜…」という声が聞こえたが無視する。
部屋にかけこみ、ドアを閉める。
ドアにもたれかかるようにすると、自然と足の力が抜ける。
しゃがみこむ姿勢になり、目をつむる。
さっきの出来事がフラッシュバックしてしまい、手が震える。
目を開けて震える手を握り閉める。
「友心…」
もしも友心が死んでしまったら…
私はどうなるんだろう。