嘘つきな私の愛情表現
コンコン
部屋をノックする音が聞こえてハッとする。
時計を見ると、私が部屋に入った時より30分進んでいた。
「寝ちゃったのか…」
小さくそう呟きながら、ゆっくりと立つ。
お母さんかな? そう思いながらドアを開ける。
「…嬉喜。」
そこに立っていたのはお母さんではなく、友希だった。
「ゆう…き」
もともと友心と友希の顔は似ていて、友希の顔をみると友心を思い出す。
つらくなって友希から目をそらす。