嘘つきな私の愛情表現

「嬉喜、こっち向いて?」

友希にそう諭されるが、私は首を小さく横にふる。

私のその様子を見てか、勇気が小さく溜息をついて話し始める。

「嬉喜、今から友心が運ばれた病院に行く。」

その言葉につい顔をあげてしまう。

友希と視線が重なる。

「嬉喜も行く?」

…行きたい。

けど…

「友心の状態は、どんな感じ…?」

それが怖くてすぐに返事はできなかった。
< 36 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop