赤の贖罪
「さ、神様……。私の、からだ、食べ……て」
私は地面に仰向けになりながら、どこまでも広がる青空へと手を伸ばす。
「みんなの、あの人の元へ……私を、連れていって…」
激しく脈を打ち出す心臓。
それと同時に、少しずつ霞んでいく視界。
(あぁ…やっと……)
見開いた私の瞳から、一粒の涙が零れ落ちる。
苦しさに眉を寄せながら、それでも笑う私が最後に聞いたのは……
『キヒッ……お帰りなさい』
幼い少女の、笑い混じりの挨拶だった――。