赤の贖罪
「でもさー、面白そうだろ?他の班ともテーマ被らないしさ!」
「そりゃあ被らないでしょうね。どこにもいないわよ、そんなアホなテーマにする班は」
「というか、そんなテーマで先生が頷くと思うのか?馬鹿なのかお前は?」
「わかったよー……」
……優香と洋平に否定され、机に突っ伏す悟くん。
その寂しそうな後ろ姿に、心の中で謝っていると、ふと私の机に影がさした。
「悪ぃ、遅れた……ってどうしたんだ?悟が燃え尽きてるけど」
「あ、……卓斗くん」
声につられて顔を上げれば、首を傾げている一人の男子が立っていた。
――園原 卓斗(ソノハラ タクト)くん。
頭の上に疑問符を浮かべる彼は、このクラスの人気者であり、同じ班の人であり……私の、片思いの相手でもある。