【完】もう一度、音を愛す。
「その大会、愛音ちゃんも
出る予定だったのよ。」
「えっ・・・。」
「あんな事件があって、
記憶もなくなっちゃってたから
無理もないけれど。
愛音ちゃん、事件がなければ
一週間後にその大会に
出る予定だった。
愛音ちゃん自身が
お母さんたちが出会った大会に
出場したいって言ってね。」
そうだ・・・。
だからあの日、
普段より練習していたかったんだ。
最高の音楽を
演奏したいと思って。