sound village


「痛いなあ・・・」

額をさすりながら、ボヤく1号
そもそも、そんなに力は
込めてはおらぬのだよ。

「愛のムチだよ。オロカモノ。」

素知らぬ顔を装えば

「愛ねぇ。」

1号は、策士な笑みを浮かべ
口を開いた。

「愛してるんやったらーーー」

また良からぬ事を言い出しそうな
薄い唇を見つめていたが
扉の向こうの足音と雑談に
目の前の1号共々、ハッとし、
身を翻した。

『ねえ、見た?音村係長の・・・』

『見た見た!!あの人の下って
男前多いよねぇ。うらやましい。』

・・・その、音村係長が、
まさか、トイレの個室に
イケメンの一匹と隠れている等
思いもしないだろう・・・

興味本意の会話が続く。


 
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