sound village
背中を追う ** side神島
「神島君。ちょっといいか?」
「はい。すぐ行きます。」
先輩社員に呼ばれ、
念の為、メモとペンが
ポケットにあることを確認して
デスクに向かう。
「お待たせしました。」
「悪いけど、俺、すぐ出なくちゃ
いけないんだ。
会議室の予約を、この日に。
設備は、プロジェクター使用で、
20名入れるところを、総務に
空いているかどうか
聞いてきてくれるかな。」
先輩が条件を書いた卓上メモを
破って渡してくれる。
「了解しました。部屋があれば、
そのまま取っておきます。」
「空いてなかったり、
判断つかなかったら
電話してくれていいからな。」
そろそろ夏の日差しに
日焼けしてきた先輩を眺めつつ
…この人も…
ラジオ体操から逃げたな…
っと、仏の眼差しで見送る。