sound village
「あの…」
用件を話しかけた自分に
「久しぶりやなぁ。
ちょい向こうでしゃべろうや。」
柏木が、何を企んだのか
会話を被せてきた
「おいっ?!」
突然の事に驚いたのは
俺だけのハズもなく
いまだ名前が出てこない
目の前の女子も同じ様で…
しかしーーー
柏木に敵う策士など
いないのだ……
最初は仕事中持ち場を
離れるなんて…とか、色々
口にしていたが……
ついには、ブースをでて
柏木が指した方へ歩き出す。
「あの女、足止めしとくから、
昼休みのチビ、連れ出せや。」
通りすがりに、小声でボソッと
言い捨てた柏木を、思わず見遣る
……なんて…
何て、悪い表情……