sound village
“頼んだで…”
そういって離れていく柏木が、
もはやホラーの域でーーー
怖ぇえよっ
「え…っと…」
俺は、何をしに来たのだっか…
そもそもの目的を思いだした。
「すいません!!
会議室の予約したいんですがっ!」
カウンター奥の什器壁の
奥に向かい声をかける。
…まさか、受付が拉致られた等
思いもしないのだろう。
壁の奥側は、人の気配はするのに
無反応だ。
再度呼ぼうと口を開いた時
「あれ?神島?」
後ろから名前を呼ばれ
振り返る。
「おお、斐川どうした?」
コイツなら壁の向こうが
みえるんじゃないだろうか…?
いや、無理か…
壁の方がギリギリ高いな。
「プロジェクターの使い方が
わからなくて聞きに来たが。
…受付は?」
「…向こうにいる。」
柏木の方へ視線をやれば
斐川もつられるように
同じ方角へ視線を流した。