sound village
可哀想なほど、
顔面が硬直していて
なんとか言葉を発している様子が
ありありと伝わってくる。
「受付、はずしてるみたいで、
会議室ですよね
すいま…せ……!!?」
会議室貸室表をめくりながら
話すチビが固まった。
クリッとした瞳が
見開いている。
目線から、俺と斐川の隙間から
受付の子が柏木とサボってるのが
見えたのだと推察できた。
「…何やってんだよ…」
…チビよ…その気持ち
わかり過ぎるくらい
わかるぞ…俺は…(笑)
「あとーーー」
斐川の声に、チビは表から
顔をあげた。
「304会議室のプロジェクター
使い方がわかんないので
教えてください。」
言った斐川を、チビは
じぃーっと見る。
…なんなんだ?
不思議に思っていれば
「いいですよ。あとで
説明します。」
ニッコリ笑って
再び管理表に視線を落とした。