sound village


「俺と友達だって事が
レンちゃんの将来の妨げに
なるのは、嫌だから。」

重役や一部の社員は
彼の卒歴や、係長と以前からの
知人であることは、既知だろう。

「俺も、仕事でも
いつか、役に立ちたいから。」

彼は、音村係長を
尊敬してるのだな。

…俺たちと、そこは
同じだなーーー

「あの…専攻、何ですか?」

神島が、遠慮がちに問う。

「総務だし…って、法学部…。
無茶するでしょ。俺。」


毎日が苦行なんだといって
苦笑する目の前の小さな先輩は
俺なんかより、ずっと大きい。


「もし…俺でよかったら
分かんないところがあれば、
教えられますよ。俺、法学部卒
ですから。」

「わあっマジでっ?!
心強い。ハートおれそうだったし
本気で、俺、教科書もって
いくタイプだよ?!」

そう、はしゃぐ男の横で

「お前…バスケもできて
頭もいいとか…嫌な奴だな…」

神島が眉をひそめる。

コイツに、
俺にできないこと等
ないと…

いってやりたかったが

…あるんだ。


それも、大きな事がーーー






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