sound village
近づく足音の迫力に
見上げる位置にある神島くんの
双眼が、ヒキ気味に状況を
見守っている。
ーーーバンッ
「音村っ!!」
「佐藤っ!騒々しいっ!!」
扉が開くのが先か
テルテルの叫び声が先か
部長様の怒号が先か……
「音村ぁ~っどしたっ」
「神島くん。これは、
いつもの事だから。気にするなよ。」
2号に言い置き、
両手を広げてハグを求める
テルテルの顎を掌で突き上げる。
「ぐおっ…(泣)」
「係長!?」
それ…痛そうですね…と
血の気の引いた神島くんの手から
先ほどの資料を抜き取り
テルテルの顔面に押し付ける。
「貴様よくぞ、こんな
不出来な資料を、わざと
うちの若い衆に押し付けたな?!
新人潰しか!?コノヤロー」
怒りのまま、言いたい事を
ぶちまける。
「おいおい。それは、うちの
人間に失礼ぢゃねぇ…」
等と、資料に視線を落とした
テルテルの表情が鋭くなった。