sound village


「おっ疲れさまでぇ~っす」
「お先に失礼します。」

仕事が終わって、ホントに
嬉しそうな係長と連れだって
社屋を後にする。


「ああ…おにゃかすいた…」

“おにゃか”って…
笑いを堪える。

いつも思うけど…気を抜くと
係長は割りとよく噛む。

係長がスネタ子供の様に
呟いていて。


・・・これは……

もしかしてーーー

誘っても…いいんだろうか…?


どうも柏木の様に言葉尻をつかみ
会話を繋げる事に秀でておらず
俺は、つい、グズグズ考えがちだ。

「神島くん、晩御飯あるの?」

「えっ?」

思わず、問いかけを聞き逃し
とぼけた返事をしてしまう。

「いや、晩御飯ないんだったら
一緒に食べていかないかなと
思ったんだよ。」

来た!!

「無いです。一人暮らしなんで。
一緒にいいですか?」

若干食いつき気味だったのは…
俺だって…チャンスは
逃したくないから。






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