sound village
「…続きまして、私ども
経営から見た解析結果ですが…
私、音村より説明いたします。」
雰囲気の悪い中、
怯む事なく立ち上がった
レンちゃんの後ろ姿に
視線を送る。
いつも、こんな小さい背中で
俺らを守ろうとしてくれて
いるのかとーーーー
改めて、自分の上司が
強くあろうと一生懸命な
女の子なんだと認識する。
「…クライアントの経営状況と
財務傾向、今後の見通しは
以上となります。」
…考えすぎて、うっかり…
説明をききのがして
しまった…
気がつけば〆の台詞で。
「私どもの結果としましては、
開発側のプランは…
クライアントの経営を
更に逼迫させるものであり
進めるべきではないーーー
平たくいいますと、反対です。」
言い切ったレンちゃんに
自分が用意した資料と
数字が違うと遅刻男が反撃する。
その後の展開は…
凄まじかった。
レンちゃんがーーー
誰かのミスをーーー
俺の勘やと意図的な
嫌がらせやと思うが
血祭りにあげるっちうのは
こういう事かと思うほど
これが“制裁”か…という程に
その男を追い詰めた。