sound village



「まあまあ、音村さん。
そのくらいで、ね?」


黙って様子を見ていた会長が
その場を諌めなければ
この遅刻男は、明らかに
泣いたに違いない。


「ーーーしかし、君たちは
これ程、時間をかけて
こんなプレゼンしか
できないとは…」

続いて発せられた
嫌味な台詞にカチンと来る。
喉を鳴らせた俺を隠す様に
再び、レンちゃんは立ち上がり

「これはまだ、着手すべきか
最終検討中でしたが、
この場をお借りして
ご報告したい案件があります。」


そう言葉を発した。


「どうぞ。」


予定にない案件に
重役達は、イライラを
募らせながらも発言を促す。


「佐藤課長。」

レンちゃんが、言葉短に
視線を送れば

「了解。」

阿吽の呼吸で、オッサンは
手元の資料を役員に配布する。


ーーー付き合いの古さを
見せつけられた様でムカつく。


「先ほどのやり取りで
お察しかと思いますが…」

 
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