sound village


「マジでっ?!」

目を輝かすチビッコに

「なんか嫌な予感しかしないが…
背に腹は変えられないしな…」

俺を全く信用していない
神島の眼差しに含み笑いを
漏らしてしまう。


「自分ら、そこどけてみ。」

ずっと手をつないだままだった
神島に席を空けさせる。

ツブシの洗礼は
可哀想やったけど
…随分役得やったな。神島は。


ボーヤ達…数年とはいえ
人生経験豊富な
…大人をナメるなよ。


少し離れたところから
見学している3人を後目に
パイプ椅子に腰かけ
突っ伏したレンちゃんの頭部を
左腕で囲うように抱き
右手で耳にかかる髪を
優しくすいてやる。


…かわいいな…


本当にカノジョに
なってくれたらいいのに。

「柏木。早く起こせ。」


黙ってみていた斐川が
憮然といい放つ横で
チビッコが首をコクコク振り
同意している。


…やばっ(笑)

アイツらの存在
完璧に忘れとった。




それではーーー






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