sound village
「なあ、今日の試合数…
これ、全部こなせるのか?」
幹事からのメールを見ながら
柏木に問う。
1人あたま何試合あるんだ。これ?
「ああ、30点先取制にする。
今回は、ただのゲーム…っちう
訳ではないんや。」
とにかく、学校単位ではなく
組んだことのない奴らと、
総当たりする事が今回の目標だ。
「30点先取でも悩めるんや。
相当ディフェンスが強くなるから
1ゲームあたり長びくかなぁて
懸念してるんや。」
実はーー今回の試合の為
俺たち元主将は、柏木の一声で
一度顔をあわせている。
…卒業数年で、こんなにオヤジ化
する奴がいるのかと
衝撃を受けたって事は
この度は伏せておく。
「俺らみたいに、満足いく相手と
1×1するのもままならん奴も
多いはずや。総当たりの方が、
今後の繋がりにもなるやろ。」
ハンドルを握りながら
柏木はいう。
今回は、初めての奴等と組んで
どれだけの内容のゲーム展開が
可能なのか…って事を
確認しようって目論見がある。