sound village
本当のカレ ** sideレン/
正直驚いたーーーー
斐川くんが…あんなに
喜怒哀楽を露にする子だと
認識していなかった。
『レン。お前、愛されてるねぇ』
敢えて“誰”とは言わない
話し方
そんな誘導尋問に
ひっかかるものか。
そこらのパンピーと一緒に
するなよ。レン様を。
『リヒトーーあんた…
わざと斐川くんを
焚き付けたでしょう…』
『“ヒカワくん”?…ああ
さっきのアリウープ君の事?』
…しまった。
さっきの騒動で、紹介するのを
忘れてるよ…
まあ、いっか。
…って
『アリウープってなぁに?』
そう問えば、リヒトが固まる。
『…レン…キミ…ホントに
何にもしらないんだね…
キミの後輩含めてだけど…
ここにいる子達って
アメリカでもストバス程度なら…』
饒舌に語っていたリヒトが
一瞬黙った。
『…リヒト?』
『…ああ…それで…か。
レン、何でもないよ。
彼らは、アメリカでも、きっと
うまい方にはいるよ。』
そういって、
二ッと笑った。