sound village
3面のコートすべてで
ゲームが始まる。
驚いたのは見物人の数だ。
恐らく…現役の学生もいる。
『本当に…彼らは
スゴイ子達なんだね…』
スポーツに興味なんて
なかった私でも、眼下で
繰り広げられているゲームの
スゴさがわかる。
…これ、みんな…
今就職してる子なんでしょ？
壮絶な試合展開だ。
『あれって、昔同じチームで
やってたのかしら。』
思わず呟けば、隣で観覧していた
リヒトが違うという。
『見ただけでわかるの？』
『ああ。何て言うか…
こなれていない。でも、ほら
あそこの2人は同校じゃない？
送球が馴れてる。』
ーーーなるほど。
リヒトって…バスケ経験者
なんだ。
それほどに、彼は詳しい。
上から眺めていると
プレイヤー以外の動きも
よくわかる。
うちのイケメン達は
それぞれ違う色のゼッケンを
つけていて。
皆は、違うチームなのね。
