sound village


「しかし、このメンツで
先取点制ってキツいな。」

「ホント…体、鈍ってんのに
休めねぇな。」

そういって、
隣で伸びる他校生達だが…
高校時代に対戦した時と
それほど違わなく見える。


「斐川は、柏木と神島と
同僚なんだって?

いいなぁ…いつでも
1×1できるじゃん。

俺なんて、ホント久しぶりだよ。
まともに、ゲームできるなんて。
新幹線乗ってくる価値
あったな。」

来てよかったと、しみじみと
語る様子に、柏木の読みが
いかに的を得ていたのか
改めて認識する。


その柏木は、休憩もソコソコに
幹事や元主将達と
何か打ち合わせしている。

ああ…昼時か…
壁時計の時間をみて
何となく思う。

試合が終わったコートから
人が、はけていく。

休憩するんだったら…


チラリと視線を
観覧席へ向ければ
少しでも会話を交わしたい
その人は、試合中のコートへ
意識をそそいでいて
隣のオトコに何か聞いている。



ーーーソイツ…誰なんだよ?


この間は…フリーだって
いってたじゃないか…


事実上の…ってヤツかよ?




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