sound village
背後で、元マネや幹事達が
休憩時間を告知する声と
選手が会話するざわめきが
反響している。
階段の昇り口で
俺たちを視界に捉えた神島が
口を開く。
「お前ら遅ぇよ。行こうぜ。」
「焦らんでも、まだ居たで。
のんびりいこうや。」
前を歩く神島と柏木が
前半の試合でのチーム内の空気や
コミュニケーション状況について
感想を述べている。
「昼からは15点先取で消化するか。
後半、動きも固まってきたし
この調子でいったら、総当たりで
1日終わってしまうやろ。」
遠方から来てる奴らが、
他のチーム編成でもできる様に
…と、2人は互いの持つ
情報を交換している。
「体育館は終日借りてるんだろ?
4時時頃一旦締めて、都合ある奴
帰して再編したらどうだ?
遠方の奴等は泊まりだって
いってたし。」
「そうやな。そうしよか…
ああ、ほら。居た。」
柏木が指差す前方に
立ち上がり、男と何やら話す
音村係長を見つける。