sound village


10人以上の人間に囲まれ
指示をだす柏木に視線を送る。

俺の知ってた“柏木陽一郎”と
いう男が、目の前にいる。

いや…“もっとよく知る柏木”が
目の前にいる。


漠然とだが、コイツが
腹黒い…等といいながらも、
信頼を集める根拠を、
肌で感じている。


「神島!こっち、さばいてくれ。」


「ああ。」


チーム再編のためのスコア
さっき、コート毎に元マネが
手慣れた様子で記録して
くれていた。


手渡されたルーズリーフに
目を通していれば


『今から再編?』

そんな声と一緒に
肩にのし掛かる重力。


重ぇえよっ


『試合記録と…元のポジション。
よくできてるな。だけど…
貸してみて。すこし触れば
さらに強いチーム構成になる。』


俺の掌から紙をかすめとり
リヒトは柏木に声をかけている。


しばらく何か言葉を交わした
柏木が声を張った。


「みんな集まってくれ!!」

主将の一声に、一瞬で
静まり反応するあたり
…体育会系な集団だな…(汗)




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