sound village
「コイツは“リヒト”
日系の元全米関係者や。
知ってるヤツも大半やろがな…。
今からの試合に参加してもらう。
…俺が知る面子だけでも
勝利に飢えとるヤツばっかりやろ。
向上心、まだまだ
持て余してるヤツばっかりやろ。
反対のモンおらんよな?」
まあ…朝のスリーをみたら
アイツの参戦に
反対するヤツなんて…
居ないわな(笑)
今からチーム再編するにあたり
リヒトがそのポイントを
レクチャーしてくれるらしい。
俺を含めた数名が柏木に呼ばれ
通訳に任命された。
「体育館広いし
これだけの人数や。
班分けして通訳したほうが
効率的やろ。」
…まあ、八割は理解できると
思うが、苦手なヤツも多い
だろうから…妥当な判断だろう。
しかし…本当に
柏木の能力には
脱帽させられる。
人間、誰しも得て不得手がある。
ちょっと躊躇いを見せた斐川に
声をかけようとすればーーー
「斐川には、俺がマンツーマンで
通訳したろ(笑)」
ニヤリと笑う柏木に
「断るっ」
必死の抵抗をみせる斐川に
苦笑する。
「斐川って…柏木さんの
おもちゃなんだな…(笑)」
呟いた幼馴染みの台詞を
そうだな…と、肯定した。