sound village
ーーー残る3号は………
『レン。マコトを俺に
預けてみないか?』
長い観覧時間、彼らの動きを
目で追いながら、時おり、
わが社の状況や職種の話だとか、
自分が事業統合を提案しようと
企業にあたりをつけている最中と
多少…内容を変えて話していた。
ーーー本能がーーー
獲物がかかったって言ってる。
『リヒト?…どういう意味?』
具体的に“指名”してきた。
こっちが獲物に成るわけには
いかないんだ。
だってーーー
これだけは
ハッキリしている。
彼は我が社を自分の意思で選んで
入社を勝ち取ったんだ。
それを他人がどうこうして
良い訳ないんだから。
斐川君の身の保障はーーー
当然、斐川君じゃなくても、
部下の身は守る。
『レン、あとでユックリ話そう。
難しい事抜きで、俺、アイツらと
ゲームやりたい』
昼時に、いやがる神島君を
リヒトは無理矢理つれだし
…拉致ったって方が正しいな。
あれは
バッシュ購入に
付き合わせていた。
“レンちゃん。神島をリヒトと
サシにさせんでくれ。
斐川は英語オンチやから
かまわんけどな。”
リヒトの行動に唖然としたけど、
柏木君の台詞がひっかかり
運転手を買って出て
同行したのだけど。