sound village
……俺の語学力で
オマエにどうやって
ゲームプランを伝えるんだよ…
学業成績はいずれも良かったし
英語も同様だけど…
いざ、コミュニケーションを
とるにあたっては、力不足でーー
その上、リヒトのポジションを
俺は知らない。
『あっ。レンだ』
…えっ。
リヒトの呟きに、奴の視線の先を
反射的に追う。
神島も同様の反応をしたらしい。
『ホント、オマエ達は、
レンの事、大好きなんだな。』
そういって大笑いしたリヒトは
外に続く鉄扉から逆光に溶ける
係長に声をかける。
『レン!!』
『ん?皆、お疲れ様
次のゲームまだなの?』
休みのせいか鋭さを感じさせない
目尻をさげて係長がいう。
『俺達は、次の試合。
皆、同じチームだよ。
マコトが、うちの司令塔ーーー』
リヒトの言葉に
係長の眼差しが
一瞬厳しくなったーーー
「そうか。楽しみにしてる。
上から見てるね。」
そういって、俺達に手を振り
階段をのぼっていった。