sound village
「…何らかの計算はしてると
思いますが。それを考慮しても…
上出来過ぎます。」
侮辱するつもりはないので
勘違いしないでください…と
彼女は言い置いて。
「あのオトコは、色恋と仕事は
完全に別物と考えて行動します。
利用できるようなら、普通に
利用します。」
・・・すっごい・・・
悪い奴だな(笑)
どんな学生だったんだよ。
柏木くんは。
…悪役1日にしてならず(笑)…
「…でも、さっきの陽一郎は…
見たことのない表情を見せていた。
あなたに…。
信頼しているんですね…」
どことなく…寂しげな
表情をする彼女に
気の利いた言葉もかけられない。
この女子はーーー
柏木くんと、どんな関係なのかと
勘ぐってしまう。
彼女がここへ来たのは
その前の出来事に起因している。
そう考えれば、この娘は
柏木くんにとって十分
信頼できる子に違いないのに…
私は…
いうべき何かを
見つけられないんだろうか?
それともーーー
見つけられないフリを
しているだけなんだろうか…