sound village

お節介 ** side神島



…心臓が…暴れている。


係長の笑顔にやられた。

…俺達、3人とも。


柏木まで、毒の抜けた表情を
しているじゃないか。


ゲーム開始までの数分で
何とか気持ちを整える。


実際のゲームを同チームで
やるのは、初めてだ。

どうなるのか、俺も興味がある。


特に俺と斐川は、元々、
同じポジションだし。

体格と技術ポイントが
ヤツの方が長けているから
今回は、斐川がゴール下を守る。

そう、斐川が判断して
ポジションを采配した。


ヤバイ…テンションあがり過ぎて
叫びそうになってきた。


落ち着かねえと…(苦笑)



勝ちたい。

勝ちたい。


斐川が、ゲームメイクって
意外な感じするけど…


あれで中々器用で頭もいいし、
我儘三昧だけど…そんなアイツが
立てる作戦って…


「いくぞ。」


俺を含めた歴代の主将達と違い
開戦に臨む掛け声すら、
凛と通るわりに、無駄に力を
入れるわけではない。


「…なんか(笑)斬新だな。
叫ばないんだ。」


俺の幼馴染みは、愉しげに笑うが
こいつも斐川の強さと怖さは、
よく知っている。



荒ぶらない獅子の方が
ーーー怖い






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