sound village
「おーい2号お疲れぇ~」
悶々としていた思考を
二階席からの聞きなれた声が
断ち切る。
みあげれば、柵から落ちそうな位
身をのりだし、手をふっている
係長がいて。
「係長子供ですかっ?!
落ちますよっ!!」
全力で、その行動を咎めれば
「なあ、2号って何?」
幼馴染みが、興味津々ってな
表情で、こちらをガン見している。
「うるせぇ」
そんなの、俺が聞きたいわっ
「神島くん。」
よく通る声が、俺を呼ぶ。
つられる様に、
声の方を見上げれば
「今日は、1日、邪魔して
悪かったね。
そこのショボくれたデカイ奴、
連れて帰るよ。呼んでもらえる?」
係長がリヒトを指して言う。
…確かに…(苦笑)
俺の台詞に多少なりの
ダメージをくらった様子の
リヒトが黙々と掃除していて。
…ぷっ(笑)
笑えるぢゃねぇか…