sound village
戦線離脱 ** side柏木
汗臭いオッサンの運転手なんて
絶対嫌だと言い張るレンちゃんが
リヒトをシャワールームに
無理矢理ブチこんでから
程よく時間が経過していた。
「いやぁ…今日は、来て良かった。
なんか、皆、かっこよくて
ホレボレしたよぉ」
満足そうな表情で
浮かべた笑顔が可愛い。
…上司違うたら、間違いなく
騙してでも、持ち帰ってるな。
…まあ…やろう思たら
今もやれんことは、ないケドな(笑)
いや…“なかった”…が、
正解かな。
横に立つオンナに
完璧にハメられたーーー
要注意なんは、重々
わかってたんやけどな。
まさか、リヒトを迎えに来た
レンちゃんと、神島と斐川を前に
『いつも“陽一郎”が
お世話になってます。』
…は、ないやろう。
確かに、レンちゃんの護衛を
頼んだ時に、コイツの話に
合わせるって条件は飲んだけど。
“ない”ついでに…
間柄を聞いてきた神島に…
…多分、アイツは、
バスケ関係者って
問うただけやろけど…