sound village
『神島くんは、見覚えあるよ。
“陽一郎”の1学年下だったよね。』
…とか、いらん情報加えたあげく
『今も、小娘達からの護衛を、
任せていただけるくらいには
“信頼”される立場にいるわね。』
…なんて、微妙な言い回しをする。
多分、わかってたんや。
最初から、この展開が。
無表情面に、疑問符を浮かべる
斐川に笑顔を向けて。
『わかりやすくいえば、
“彼女”かな。』
なんていうもんやから、
最早、声も出せんほど驚いて、
目ん玉落ちそうに見開いてるし。
『えっ?!…と…』
神島も、なんとか叫びかけたのを
堪えたっていう体裁やな。
…まあ、春からの俺を見てたら
ここで、カノジョ紹介とかされたら
これが普通の反応やわな。
ちなみに、このオンナ…
“イマカノ”みたいに言うたが…
“モトカノ”やろが…
わざと“元”を、小声で
ゆうたん、わかってるからなっ
…怖い、オンナや…