sound village

「陽一郎。

…あんた、あのお姉さんが
今、あんたたちの内の誰かを
選ぶとか、考えてるの？」


…まあ…選ばへんやろな…

その辺の女子社員と
置かれたポジションが違い過ぎる。


レンちゃん本人の意思に
反して様がな。


「…一番、傍におるだけ…
で、よかったら“参謀”的立場
目指してるわ。」


誰となしに呟いた言葉を
コイツは拾う。


「そうね。“恋人”的立場を
狙うんなら、あの人の人生を
丸々引き受けるくらいの根性を
見せないと、堕ちないわね。」


まあ、いまのアンタ達じゃ無理ね。
…なんて、言葉が、胸に刺さる。

「あんたは、俺を折りたいんか？
焚き付けたいんか？
…どっちやねん。」


どこの女子やねん…と、
自分でツッコミたくなる程
自分が、拗ねた表情をしていると
自覚できる。


「もう、背伸びしなくても
いいんじゃない？
これまで、化けの皮散々
被ってきたんでしょ。」


化けの皮…は、ともかく
背伸び…って…