sound village
選択 ** sideレン/
「があっ…なんだ…こりゃ…」
いや、わかっている…
…パーフェクトなる
二日酔いだ…
ちょっとした…
虚無感というか…
知らない内にあった…何か…を、
失せた気分と
リヒトとの折衝を成したという
平静から遠い状態から
思いの外、酔いが回ったの
だろう。
「くそぉ…味噌汁…」
昼までに酒を抜かねば
夜には音合わせがまっている。
その後は、追い酒が待っている事
間違いない…
早急に、体調を整えて、
シジミの味噌汁をゲットせねば。
『レン。お前は、自分自身の事
どう考えているの?』
ケトルに水を注ぎながら
リヒトの言葉を反芻する。
『なんで、自分の事は
流されたまま進むんだよ?』
振り払えども、のし掛かってくる
リヒトの言葉はーーー
私自信、わかっていて
気づかないフリを決め込んできた
“クサイモノ”だ。
手に負えないから
ずっと、忙がしさにかまけて
蓋をしてきた。
…気持ち悪い…何れにしろ
二日酔いで考えるべきじゃ
ないな。
セミの鳴き声が息苦しい程
暑さを倍増させる。
ため息をひとつ落として
開けていた窓を閉めて
エアコンのスイッチを入れた。