sound village
「…レン、何か悩んでんの?」
…オッサン…
瞳に隠しきれない好奇心ってか
面白がってるってハッキリ
出てるからっ
そんな野郎には
「そんなことないよ『樹里』」
即座に天誅を加える。
「!!だからっ
真月のモノマネしなくて
いいからっ」
この男は、嫁に名前を
呼ばれるとデレル。
それはもう、わかりやすい
デレ様で、結果、皆から
からかわれ続けるのだ。
キサマ、専門学校でも生徒から
やられてたって、レン様は、
啓太から聞いて知ってるんだぞ
「コラコラ、ふたりとも(笑)
そろそろ出ないと遅刻だよ。」
戸締まりを確認しながら
のんびり構えていた私たちに
真月さんが片付けを促す。
「やべっレン、そこの弦
そのケースに入れおいてくれ」
「おうっ任せたまへっ
エフェクターは?」
「あっちに置いてるやつ」
これからスタジオで
最後の音合わせ。
来週は、ライヴ本番だ。
頑張らねば