sound village
もはや、恒例となった昼休み
啓太の家庭教師の時間。
コンビニで購入した
サンドイッチをかじりながら
ため息をひとつ落とす。
「斐川くん?仕事キツイの?
だったら無理して、
勉強付き合わなくていいんだよ?」
同じく菓子パンをかじりながら
啓太が言う。
…違う…返って気分転換になるし
曖昧になっていた点の再確認にも
なっている。
「堪えているのは…英会話だ。
ヒアリングはとにかく…
うまく思った事が言えないんだ。」
恥を偲んで愚痴をこぼせば
「なるほどなあ…
レンちゃんと佐藤係長
なんかおっぱじめてるから
ガンガン電話くるよね。」
隣に座るチビッコは
眉尻をさげて、同情している。
「あっそうだ。
今週末、ライヴだから
今のレンちゃん、浮かれ気味で
アテになんないかもだけど…
終わったら、教えてもらえば?」
はっ…?
「そしたら、残りの2人より
ちょっと多く、レンちゃんと
居られるんぢゃない?」
二カッと笑う啓太に
気まずくて、眉間にシワを寄せる。