sound village
「ふーん…。これが楽屋って
言うところなんかぁ…」
柏木が珍しそうにキョロキョロ
している。
「このライヴハウスは、
名前くらいは、みんなも聞いた事
あるでしょう?有名だし。
メジャーも演奏してるから。
有名人と、同じ楽屋を
使ってるんだと思ったら
俺、超嬉しくって。」
楽しそうに話すチビッコを
見ていると、自分にとっての
“バスケ”と同じなんだなぁ
…と、実感する。
いくつかの似たような扉のうちの
1つの扉が開いて、中から
アイドル並みのルックスの男と、
どこぞのビジュアル系バンド風の
容貌の男が、ギターを片手に
現れた。
「あっ、いた!啓太。
お前そろそろチューニング…って
デカッ!!!」
チビッコに声をかけた
ビジュアル系が、後ろに
立っていた俺たちに気づき
瞳を見開いた。
「ホント、背高いねぇ。
鷹尾君より、まだ高い…って。」
アイドル野郎も斐川を見上げ
そういいかけ“もしかして…”と
呟く。
「キミ達って…あの日、
バスケしていた奴らじゃない?」
って、ニヤリと笑う。
…コイツ…絶対…
佐藤係長と、同じタイプだな…