sound village
「…聞いてるかぃ?1号」
耳慣れない声が呼ぶ“1号”に
ハッとする。
声の方向へ視線をむけると
例のオネイサンがデジカメを
構えていて。
「今が一番化粧がのっていて
美しい状態だから、一緒に
撮ってあげるよ小僧」
…小僧って…
小僧って…
思わず驚愕の面持ちをすれば
神島は、ともかく
斐川が、初めて見るくらい
爆笑していて
ーーーこいつ……
…笑うんや…
等と、あたりまえの事を
実感してしまう。
この間の試合からこっち
何かふっきれた印象を受けた事と
関係するんかもしれん。
「真月、俺もみんなと一緒に
撮ってほしいんだけどっ」
「はいはい。ちょっと待ってね。」
輝く瞳で、ごねるチビッコを
軽くあしらいながら、器用に
カメラアングルを確認する
オネイサンは、ニマッと口元を
持ち上げた。