sound village
頭では、わかってるのに
レンちゃんが…いつもの女の子と
同じやと思えんくて…
…手を伸ばす事に
躊躇する。
…わかってる…
コレを“オーラ”って
いう事を。
「あ、時間ないや。撮っちゃお。」
俺の葛藤などに構うことなく
オネイサンはシャッターを
押した。
…結局、一歩も動けんかった。
「ぉいっ…斐川っ」
神島の声でハッとする。
横を見れば、斐川に背後から
抱き留められたレンちゃんがいて
絡んだ視線がさ迷ってる。
「撮れたぞ。今日のところは、
3号がウィナーだね」
オネイサンがデジカメの画面を
こちらに向けてクスッと笑う。
皆に悟られん様に奥歯を
噛み締める。
ーーーやっぱ、やれんーーー
「真月、俺も一緒に撮って
ねぇ、撮って」
再びチビッコがごね出した頃
控え室の扉をノックする音がして。
「レン、最後のフェイクの段取り
あわせておこうか。」
アイドル野郎が、はいって来た。
「ん?写真撮ってるの?
みんなで撮ってやろうか?」
なんて、人の良さげな笑顔で
のほほんというけど…
…胡散臭い
何か狙うてるな(笑)