sound village
「!!!」
不意打ちで腕に
やっぱり大好きな女の子を
抱き取る。
「レンちゃん、大好き。」
小声で本人に聞こえる程度に
ささやいて。
「柏木また、お前はっ」
俺が出てくるのを
振り返り見ていた神島と
「……くっ……」
悔しそうな斐川の
視線の強さを感じる。
「ぢゃ、お邪魔しました。
ごめん。待たせたな。」
軽~い調子で片手をあげて
二人に近づく。
…神島は、こと
恋愛についちゃあ
もう、敵やない。
アイツは、自分の想いが
“憧れ”やと気づいとる。
ーーー俺の敵は……
“斐川真琴”
アメリカでプロになった
俺の後輩の友人
斐川も、これだけの能力や。
バスケで勝てんのも
悔しいねんけど…
さらに恋愛まで負けるとか
あってたまるかい。
もう、手加減なしで
全力で行くで。