sound village
「ここから、スリーかっ?!
すげぇなっ!!」
「かっこいいーっ!!」
透と真月さんの興奮した声に
ハッとする。
顔面に衝撃がない。
「係長、大丈夫ですか?」
こちらを見下ろす男の声
逆光で表情がよく見えなくて
その向こうに
ドリブルしながら
こちらに近づいてくる
柏木君と神島君が見えて
「・・・斐川くん?」
思わず、消去法で割り出した
彼の名前をつぶやいていて
しまってーーー
彼は、不思議そうに
首を傾げ、こちらに
眼差しを注ぐだけだった。