sound village
本当だ…
でも、何でワザワザ
俺に教えたのだろう?
「お前ら、友達なんだろ?
よく一緒にいるじゃん。」
神島が、何て事ないように
言って。
「…まあ…な…」
なんだか、こそばゆい気持ちに
なりながら、啓太が機材を
ギターに接続するのを眺めた。
奴は、よく頑張ったと思う。
夜はギターの練習に
明け暮れてると言っていたが…
昼休みに一緒に屋上で…以外にも
朝から、社屋最寄り駅近くの
カフェで、勉強していたのを、
俺は知っている。
…昨日とその前は
うたた寝していたが…
今日の為に必死に頑張っていたと
いうことで目をつぶって
おいてやろう。
「社内一デカイ野郎と、社内一
チビッコ野郎の凸凹具合が
おもしろいコントラストやと
単純に思てたけど…
斐川、知ってるか?
アイツ、上からの評価も
下からの信頼も厚いみたいやで。
実際、中身デキテルと思うわ。」
柏木が、珍しく誰かを誉める…
いや、そうでもないか。
単純に、コチラが奴を
勘ぐってしまうだけで。
「ああ。啓太は偉いと思うよ。」
発言を噛みしめながら
同意すれば
「斐川も見習いや」
「くっ!!!」
やはり、つまらない
落とし方をするのだ。
…コイツは…