sound village



「それって…いつからですか?」


斐川が乾いた声で尋ねる。
そりゃそうだろう。


コイツは、音村係長に
退職の意向を告げて
却下を食らっている。


『バスケが理由なら、
早まるな…って言われたよ。
新卒採用にどれだけ時間と費用が
かかっていると思う?ってさ。』


……ごもっともな
意見だと思う……


「神島?聞いてるか?
びっくりしてるとは思うが
話に付いて来てくれよ。」

…トリップしてる場合じゃ
なかった…


「本来、3人まとめてする話じゃ
ないんだけどな。
俺と音村の意向で、お前達には
揃えて聞かせたいと思ったんだ。」


佐藤係長は、そうコトバを区切り
一旦、目を伏せた後、
真っ直ぐ顔をあげて続ける。


「先方は、あちらのやり方を
柔軟に吸収できる人材の
受け入れを条件にしている。
それには、俺や音村は不適合だ。
だから…お前たちの内2名に
行ってもらおうと思う。
社命だから、人選は、こちらで
させてもらうよ。」


期間は、3ヶ月後の出発から2年。
降ってわいた話に混乱する。




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