sound village


係長の友人が用意してくれた
タオルとデオドラントスプレイを
有難く拝借する。

この程度の運動では、そんなに
汗などかかないけれど・・・

それでもシャツを脱いだのは
正解だったと言える。

弁護士からのスポーツドリンクの
差し入れを戴きながら
自らの上司とその友人を
視界の隅に映す。

見たところ、職業も年齢も
バラバラのようだが・・・

何か書かれた紙を見ながら
本当に楽しそうに笑い合う。

いったいどうやって
知り合ったのだろう?

大抵、他人に興味等わかないが
今日は違った。

気がつけば、勝手に言葉を
発していた。

「係長・・・皆さんは・・
どんな集まりなんですか?」

柏木と神島の瞳が見開き
こちらに向けられた。

係長の目元が緩む。

「音楽だよ。
一緒にライブしたりしてる。」

 
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