sound village
一時解散 ** side柏木
終業5分前、1本の内線が鳴る。
『柏木くん?音村です。
3人とも5階に来てくれる?
直ぐ来れるかな?』
神島と斐川が、何かを感じてか
こちらに視線を送ってくる。
ーーー5階…役員室のあるフロア
神島と斐川の仕事状況を
目で追う。
…2人とも、シレ~っと
してるけど、定時速攻で
あがる気満々やな(笑)
斐川に至っては、Webの勤怠まで
開いて打刻準備完了してるやん(笑)
「ああ…っと…はい。
すぐ伺います。」
…研修人員が決定したんやな。
「神島、斐川、レンちゃんが
5階に来いって。行くぞ。」
そう、声をかければ
2人は慌てて立ち上がり
手帳とペンをポケットに入れる。
エレベータに、どことなく
気まずい沈黙を携え、乗り込み
ため息を1つ溢す。
まだ、何一つ成し得てないのに
この先…俺らも、この部署も
バラバラになる。
何の感傷かわからないけど
…いつか、また、再結成できる
やろうか?
…その時、斐川がいるかどうかは
未知数やけど…居てもいなくても
それは…アイツの挑戦が形に
なったて…ゆうことや。