sound village
係長のピンチ ** side斐川/
…すっかり秋らしい陽気
出勤前のジム通いも
先日のアメリカ研修が
決まってからは、
毎日とはいかず…
替わりに、基礎体力向上のため
一時間ひたすらランニングや
基本トレーニングをこなせる様
一ヶ月スパンの練習メニューを
組んでくれたのは、
神島の…おそらく、元カノ(苦笑)
スポーツ科学を大学で専攻
していた彼女は、なぜか
時おり練習につきあってくれる。
今日も、神島と共に、
出勤前の貴重な時間を
割いてくれているのだが…
おそらく、この微妙な空気間は、
復縁した途端、アメリカ研修が
決まった…等という…
ご縁のなさそうな雰囲気を
感じて…だろう。
この元カノなら、わかって
いるんだろう。
神島は、こうと決めたら
誰が止めようが実行する様な
ところがある。
…ホントは…寂しいんじゃ
ないだろうか…?
そんな事を考えていれば…
「斐川くん、メニューこなして
くれてるみたいだね。」
不意に、カノジョから
声をかけられる。
「ああ。最初はキツかったけど
ここのところ、持久力も
もどってきたと自覚してる。」
…ほんと…試合やストバスで
数えるほどしか面識がないのに
俺のフィジカル的弱点を
把握しているとは…
…おそるべし、才能…