sound village
「ホンマ…このメニューは
舌を巻くなぁ。
斐川はとりあえずとして
俺まで…いや、ありがたい
けどな。」
柏木は、今日は、ベンチで延々と
以前、故障した膝周りの筋肉を
鍛えている。
地味なキツさに、相当、
まいっている様だ。
「あら、だって。せっかく
仕事とはいえ、アメリカ
行くんだよ?
柏木さんが…黙って、指くわえて
アイツらを見てるとは思えない。」
そういって、人の悪い笑みを
浮かべる。
「わかってるやん自分
…わかってるついでに…
今日、何となく膝の具合
良くないのもわかってたんか?」
柏木が 面白くなさそうに
神島のカノジョを、見遣る。
「あったりまえあんた達の事
どんだけ情報収集したと
思ってんのよ(笑)
朝からお見通しだっつうの。
あのバカ二匹に負けない身体を
造る手伝いくらいは、するわよ。」
“アンタらの上司の話は
聞いてる。”
カノジョは、そういって
俺たちを見つめる。
「身体は造ってやるから
後は、自分達で挑戦なり
リベンジなり存分にやって来い!」
親指を立てて、OLらしからぬ
男前な笑みを口元にたたえた。
…いい子、選んだな。…神島…
…俺の好みとは程遠いケド…