sound village
事務所の扉を開けると、まだ
デスクにかじりつく神島がいた。
…企画書か(笑)
苦手そうやな。
「神島、ここに置いておくで。」
「サンキュー。マジ、助かった。」
コンビ二の袋から、紙パックの
コーヒーを取り出しストローを刺し
画面を食い入る様に見つめている。
「何か手伝おうか?」
アポの時間もあるし…、と、
何か代わってやれることが無いのか
神島に声をかけた俺の横を、
携帯で電話しながら、部長が
ホワイトボードに向かい通過する。
……なんか、俺らの予定見ながら
めっさ唸ってるけど……(笑)
「よし。わかった。今から俺が
行く。こんな時なんだし謝るな。
お前を放りこんで戻るまで、
一時間もあれば十分だろ。」
そういって、電話を切った部長が
デスクに戻り、いそいそとジャケットと
社用車の鍵を手にした。